あなたはスター〜河合郁人の中のハシに寄せて
コインロッカー・ベイビーズ再演おめでとうございます。
私が初めて観た舞台作品であり、A.B.C-Zのファンになる決心(?)をさせてくれた作品。
そして2年越しに、今度はハシを演じる河合郁人の虜になってきました。
もともと河合ハシは1公演しか確保してなかったけど、2回も増やしてしまった、、、反省はしてるけど後悔はしてない、、、
河合くん演じるハシは、可愛くて魅力的で、抱きしめてあげたくなるような、でも抱きしめたら壊れてしまいそうな、、危うくてどこか遠くを見つめる目をしていて、とっても良かったです。
河合くんてそんな表情もできるのね、、とファン3年目にして新たな一面を見つけてしまいました。
感想書きたいな〜て思ったので、書いておきます。
※以下ネタバレあり、河合くんのことしか見てないタイプのオタクなのでキクのことはあんまり出てきません。
最初の曲めっちゃ好きなんだよね、コインロッカーに捨てられちゃった〜ってやつ。シルビアさんの歌が最高。
這いつくばって登場する2人にドキッとした。2年前観たものとは別のものでした。
「全てを奪ったのは神様、ううん、ママ」で、ママのところのハモリよ。河合くんの声ほんと好きです。
心臓の音を聞かされてるところの、うーーみーーーの河合くんの高音と余韻がたまりません。なんていうのあれ、余韻の時のちょっとうわずった声。
「変わったのはこの世界の方なのです」っていうセリフは後半意味を持ってくる。
催眠術のシーン。「さっき食べたオムライスが回ってるんだね」の言い方がかわいくてかわいくて、お母さんはなんでこの子を捨てちゃったのって思った。
小説と照らし合わせると、ハシは歌が好きで、カナエちゃんの歌に引き寄せられてステージに寄って行って、「哀愁の花びら」を1人だけ知っていたからステージに上げてもらえる。「精神病にかかったことは?」「ないよ」の無邪気さで、ほんとに純粋に催眠術にかかりに行ったんだと思うともう、、、
「あつい、あついよ、、!」
息切れの演技しながらあの声量で歌えるのすごいなって思った。ここのハシを抱きしめてあげたいし、和代さんも抱きしめてあげたかっただろうに、でも触れると壊れてしまいそうだから、そしてハシはどっかに行ってしまって、、もうどうしようもなくなってるのがほんとに辛い。
「キク、僕ね、狂ったわけじゃないんだ。音を探してるんだ」
このセリフを言うハシはどこか楽しそうで、なんていうんだろう、宝物を探そうとしてるみたいな。
あれね 音なんだよ 音を聞いてたんだ
もう一度聞けたら 死んでもいいような
穏やかな声で歌うのが印象的。何も迷いなく、純粋に音を探したいだけなのかなと。
ハシは無邪気に東京に行って、化粧しないと働けなくなってる。
小説のほうに「口紅を塗った姿は自然で、生まれた時からこうだったのではないか」みたいな表現があるんだけど、それぐらい似合ってたよね。
「頭が割れそうなんだ」っていうのは、今までの劣等感から逃げてきて、なりたかった歌手になったのに、キクに会ったことでその劣等感が蘇ってしまってるのかなと思った。
ここのハシもすごくかわいいんだけど、早口でまくし立てて喋るから狂気を感じるし、焦りで冷静じゃなくなってる感じもぞくぞくした。
あと、キク、、、そんなにぶん投げなくても、、、笑
「歌ったり、化粧したり、騒いだりするのが好きだ」
手つないで、自分の見つけた宝物を教えてあげるみたいなハシがまたほんとにかわいい。
「僕はホモなんだ、ひどいだろ」「キクはいつだって強かったね」
音を探したくて東京に来たのはもちろんほんとうなんだろうけど、キクといることによる劣等感から逃げてきて、でもまたその記憶は蘇ってる。だから自虐することで今の自分を正当化して、楽しそうに振舞ってるのかな〜って。
「僕の初めての男なんだ」
このセリフを自担から聞けるとは、、、なんて可愛らしくこんなこと言うの、、、なんてうれしそうに言うの、、、
河合くん自体が男女問わずきれいな人才能のある人が好きなイメージ(恋愛対象は女の子だけど、ジュリーとか木村さんとか潤くんとか岩橋くんとかが好き)なので、すごいハマる。
そしてお待ちかね、青い舌
ステージの真ん中に立って、頭回した時のスイッチの入り方がやばくて、ほんとにドキッとした。ステージに立って歌えば、ハシは自分を捨てた人からも、羨ましかったキクからも逃げられる。っていうのを感じる堂々としたパフォーマンス。役だっていうのは分かってるんだけど、河合くんがいつも誰よりも堂々とステージに立って、楽しそうにしてるのとリンクしてしまった。
紫の霧の彼方からあなたを誘うよ
ここでライトが青だけから青と紫になるんだけど、紫の光がとっても似合う。いろんな人の人生狂わせそうな色気。
僕が誘うよ
青い舌で舐めたい あなたの全てを
舌が重要な意味を持ってくることはわかるんだけど、青ってなんだろう。海の青かな、自由の象徴かな?
とろけそうさ 弾けそうさ
柔らかな肌のくぼみにのめり込みそうさ
ハシがあまりにも妖艶すぎて、ハシに狂う金持ちの気持ちに勝手になっていた。いくらでも貢ぎたい。そんな魅力。
「踊れ」って言われて踊る。うわーーーーーてなった。ほんとにそんなセクシーなことできるの、、、河合くんすごい、、、
で、脱がされる。このあとに「好きで淫売やっとんのや」ていうDのセリフが出てくるけどまさしくそんな感じ。「僕を見て!」と言わんばかりの色気。参りました。
そして、ハシ狂いの気持ちになって、貢いで貢いでハシをどうしても手に入れたい!と思っていると
あなたに あなたに
ここでDのところに行ってしまう。ああ、、私のものにはならないのね、ってすごい悔しくなっちゃう。ここまで感情移入させてくるハシすごい。
青い舌を歌い終わると、また無垢なハシに戻る。さっきまで見てたのは幻想かなって思うぐらい表情がちがってドキドキする。
Dに反抗してボコボコにされるキク。
「帰りなよ、キクは帰って体操やりなよ」
せっかくキクが探しにきてくれたのにこんなこと言っちゃう。でもほんとに劣等感すごかったから、強いキクに会いたくなかったんだろうなあ、、、
ニヴァとの出会いのシーン。舞台だとなんか酔ってキスしてみたいな感じになってるけど、小説読んでから見るとすごい愛おしくなる。
小説だと、ニヴァは小さい頃にお母さんの描く絵のモデルになっていて、お母さんが描くニヴァは白い服を着ていた。お母さんはそれを見て「天使の服みたいね」と言ってて、ニヴァは白い服を作るようになった。
でも好きでもない人と結婚してその天使の服を作る情熱はなくなっていたけど、乳がんになって離婚できた。
舞台だと淡々と着せていってるように見えるけど、この話を踏まえるとハシに素敵な衣装を着せるニヴァはとっても楽しそうで、それを着せてもらうハシはスターに変身する。
「たっちゃった。女でたったの初めてなんだ」
ニヴァは胸を取っちゃったけど、自分を女として愛してくれるハシに出会えて、ハシも女を愛することができる。
小説には「ニヴァは2つのものを手に入れて幸福だった。愛すべき天使と、その天使が着る服を作る夢である」ってあるんだけど、河合くんはほんとに天使みたいな顔してた、、そしてニヴァがより一層健気に愛おしく見える。あと抱きつくときの腕かわいいです。
でもなんで衣装白い服にしないんすかね笑
てか天使ってちゃんと表現してよ、、キスシーンよりやることあるじゃん、、笑
そして出生を売りにしようとしたDから逃げて、自分の母親じゃなくてキクの母親を探し出して会わせてしまう。
これは善意でやってるのかな〜?でも「キクのお母さんだよ!」って言うときの無邪気さからして、いいことだと思ったんだろうなあ、、
キクはハシが母親に会ったら死ぬと思ったから、アネモネにひどいこと言ってまで助けにきてくれたのに、2人のいいと思ったことは最悪の方向に行ってしまう。
キクの1幕ラストの叫びは、初演の時も衝撃的だったけど、今回もとってもよかった。幕が降りてもしばらく動けなくなるぐらいに。
2幕の裁判のシーン。
彼はハシの友達なのですから
テレビでこう言われるってことはこの時点でハシはかなり有名人。愛する人も歌手になる夢も手に入れて、劣等感を与えてくるキクは牢屋の中にいる。全てを手に入れたとハシが感じる瞬間で、キクはどん底に突き落とされてる。
判決が下ってニヴァと抱き合う河合くんもかわいいですね。
僕は自由 僕はスター
僕を縛るものは何もない
弱い自分に勝って、ほしいものは全部手に入れた気になって、僕はスターだって言うハシ。ほんとうは何も変わってないのに変わったって歌うハシ。とっても切ない。
このシーン、現実の河合くんと重ねてしまって苦しくなる。河合くん本人も小さい頃からスターになりたかった人だから、現実の河合くんにはちゃんと「あなたはスターだよ」って伝えたい。劣等感とか何も覚える必要ないからね、、
そして河合ハシの見せ場、愛の荒野
愛してるもの 愛してるから
遊びたいのさ 愛の荒野で
ここのファルセット世界一でしたありがとうございました、、、自分に酔ってるハシと満足そうに聞くニヴァがとっても愛おしい。
でも全て手に入れたはずなのに「違う!」って叫ぶハシに余裕はいっこもない。
結局何も手にしてないことに気づいてしまって、「ハシの声は綺麗すぎる」って、自分のいちばんの魅力というか武器というかをぶった切られる。
「考えがあるんだ」ってみんなから隠れて舌を切る。
切るところの演技力よ、、河合くんそんなこともできるんだね、、、青い舌から真っ赤になる舌がもう見てられなくて、、、
歌い方を変えろって言われたから変えたのに、待っていたのは今まで周りにいた人が離れて行く世界。
「下品」とか「もろエッチやっちゃってるって感じ」とか、Dのもとにいた頃の「ひどい」自分に戻ってしまった感じなのかな。
このシーンハシは鞭持ってるし、「低脳」とか「消えろ!」とか言うしもう、、、切ない、、、普段河合くん優しいからゾクっとした。
自分がやらせたくせに女に「帰れ!!」って罵るし、ここ最低な男だけどめっちゃかわいそうで抱きしめたくなる。
最低になったハシに寄り添ってくれるのはニヴァだけで、子供ができたことを教えてくれる。
自分と同じ運命を辿らせたくないとか思ったのかなあ、、ハシがお父さんになるってどんな感覚だったんだろう、、
結局何しても満たされなくて、自分を満たすのはあの音だけだって思い始める。
2回目のホワイトノイズは、全然穏やかじゃくてゾクゾクする。ほんとに死にたくなるようなって思ってるんだろうなって思う。最初に音を探してた時は安らぐほうの死んでもいいだったけど、このホワイトノイズは苦しんで死ぬって感じかなあ、、
テレビで探してたのに、アネモネが出てきてテレビをぶっ壊す。自分のほうが何もかも手に入れてたはずだったのに、キクに勝ったと思っていたのに、キクには愛する人がいて自分には何もないっていうのに耐えられなくなったのかな。
精神的にやられてキクに会いに行く。黄色いふわふわの衣装。天使とは程遠い服。あの黄色と紫がハシの狂気を際立たせてた。
殴って「お前は帰れ!!」とまで、唯一自分に寄り添ってくれるニヴァに言う。それでもニヴァは優しく寄り添う。なんて健気。
「僕ね、蠅食べちゃったんだ」
蝿ってなんなのか3回見ても分からなかったんだけど、犯罪者の生まれ変わりってことは、自分の罪の意識みたいなものっていう解釈でいいのかな。
「僕は島の誇りなんだって。キクは島の恥なんだって」
嬉しそうにひどいことを言う。悪気なく人を傷つけるタイプ(笑)。いや全然笑うとこじゃないけど。どうしてもキクより強くなって、自分を正当化したかったんだろうなあ、、
どうしても音が聞きたくて、キクも同じように精神的にやられてると思ったから「一緒に考えようと思った」。お母さんを殺してからキクはずっと聞こえてたって言うとめちゃくちゃ嬉しそうにする。子供みたいに喜んで、でも狂気に満ちてて超怖い。
蝿に命令されたことにして、「ニヴァを殺さなくちゃいけない」「ニヴァは今、僕の子供を妊娠してる。ニヴァを殺すと僕は2回もあの音が聞けることができるよ!」
本当に大事なのはニヴァと子供なのにそれが分からなくなって、キクがまずいって思った時には手遅れ。宝物を見つけた子供みたいにはしゃぐハシと、「殺す」っていうセリフの対比がこくてもう。河合くん狂気的な演技うまい、、、
「ハシとても喜んでいます!」ってハシのことを想うニヴァはかわいそうで仕方なかった。
ニヴァに皿を投げたのは殺そうと思ったから?それとも一緒にいると殺してしまうと思ったから?
「歌詞見せても何も言わなかったから」ってことは、歌だけはまだ大事にしてたのかな。
ここの赤い衣装とサングラス、「え、キムタク来た?」って思って不覚にもふふって思ってしまった(笑)。
盗まれた僕の目玉
何も見えなくなってるんだね、、、ここの歌がまたうまい、、、うまいから切なくなる、、、
「僕はみんなを幸せににできてる?」
このセリフがハシが本当に思ってたことなのかな。助けてくれたみんなを幸せにしたいだけなのに、言うことを聞いただけなのに、うまくいかなくなって取り返しがつかなくなってる。
Dにだけはこれを言えたということは、Dのこと本当に好きだったんだろうね、、、
現実の河合くんには「あなたはみんなを幸せにしてるよ」って言ってあげたい
ニヴァはどっかへ行っちゃった
和代さんは死んじゃった
キクだっていない
この歌詞めっちゃ子供っぽくない?寂しくて泣いてる子供みたいな歌い方。
テープを聴いてるとニヴァが帰ってくる。
帰ってくると音が見つけられる。ニヴァを殺す=音だと思って、包丁を持つ。なんでニヴァは包丁を持っても動じなかったんだろう。好きな人に殺されてもいいと思ったからかなあ。
「僕はみんなに助けられてきた。でも僕は強くならなきゃ」
強くなることを1人で生きていくことと勘違いしてしまって、悲劇を招くしかなかったのかな、、
「ニヴァ愛してるよ」
ニヴァを刺して、音がずっと聞けると思ったのに音が聞こえなくなる。音は本当は大切な人がいないと聞こえなかったっていう。
「おと!!おとどこいった!おと!おと!おと!!おと!おとーーーー!!!」
この全部ひらがなで言ってるように思えた。赤ちゃんにかえっちゃったみたいな。ニヴァも失って何もなくなっちゃったみたいな。 のたうち回る河合くんの演技すごかった。
蝿になったあなたを踏み潰すわ
シルビアさんの歌がうまいんじゃ、、、かっこいい、、、
最後の囚われてるシーンは、ニヴァを殺して捕まったっていう解釈でいいのかな?手首を外して外に出られたのに、ダチュラで東京は死の街になってる。キクはハシが東京にいることをわかっててダチュラを撒いたのかな?全部破壊するっていうのの全部にはハシも入ってたってことか。
周りの全てを失ったらお母さんと再会できるっていうなんとも皮肉な、、つらい、、
ダチュラの症状が出始めたときの演技、思わず息を飲んでしまった。叫びが痛くて苦しい。すごい。
「ママ?」「僕に嘘をついた!!」
「ハシなら自分を殺す」ってキクは言ってたけど、「もう殺さない。殺さなくても生きていける。僕は死なない、生きる」。
いろんな人を犠牲にして生きていくことを決めたハシは誰よりも強いのかな。いやそれとも弱いのかな。
最後のうーーーみーーーーとっても良かったです。
「僕の新しい歌だ」
ハシが締める。河合くんが締めるの気持ちいいな。
でも一個だけ疑問なんだけど、キクにはアネモネがいるけどハシには誰もいないの?歌があるからいいのかな??
カテコになるといつもの河合くんに戻ってて安心した。スイッチの切り替えはやいかよ(笑)。いやーーかっこよかったなあ。
「お気をつけてお帰りください」って言われて、いつもの河合くんだーー!!!ステキな舞台をありがとう!!解散!!ってなるのスッキリしますよね。
初演の時キク役でもハシ役でもこの人が好きになってただろうなあって思いました。なんていうんだろう、いろんな表情を見せてくれるというか。穏やかで狂気的で、でも可愛くてかっこよくて、この人のファンになってよかったなって改めて思いました。
全編を通してとにかくとにかく河合郁人の歌がうまい。うますぎる。クセになる声と、なんとも言えない切ない感じと、ハシの寂しさを表現する歌声で、でもしっかり声は通っていて、聴いててずっと最高でした。
あと普段だと絶対聞けない言葉オンパレードな役なハシなので、オタクだからそういうとこも楽しんでしまったよ。
一番思ったのは、河合くんはお母さんに愛されて育ってる子だなっていう印象が強いから、余計にこのハシの境遇が悲しかった。そのギャップがこの狂気を生んでるんだろうけど。
こんな辛い思いするのは舞台の中だけで十分だから、河合くんには伝えれる限り、河合くんは最高だよって伝えたいと思った。
誰だって劣等感感じてないことはないだろうな、、と思ったから余計に。
タイトルにも書いたとおり、ハシに入り込む狂気の目、歌とダンスで魅せるエネルギーはすごくて、この人やっぱりエンターテイナーだな、スターだなって思いました。ステージに傾ける情熱がピカイチ。
まあ長々と書いて結論は、河合郁人すごい、最高の自担だわ、というところに行き着くんですけどね。
河合くんのハシが見られて幸せでした!楽しませてくれてありがとう。キク役も楽しみですー!!💋👉🐊